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ドリームキャスト

「セガってだっせぇよなー」という衝撃的なCMから始まった、セガの最後の家庭用ゲーム機、ドリームキャスト。発売当時、日本中の注目を浴びたが売れなかったドリームキャスト。時代を5年先取りしすぎてしまって消えていったドリームキャスト。ドリームキャストを語るときは、このような悲惨な思い出しかないわけですが、ドリームキャストはそんなにダメなハードだったのでしょうか。


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ドリームキャストとは

ドリームキャストは、1998年11月27日に、セガがその社運をかけて世に送り出したセガの最後の家庭用ゲーム機です。販売価格は29800円。ハードの性能としては最先端をいくものというわけではありませんでしたが、セガの価格を30000円以下に抑えたいとの意向から、性能と価格のバランスを取ったようです。ちなみに、プレステ2はまだ発表すらされていませんでした(発売は2000年3月4日)。市場ではまだプレステが圧倒的シェアを誇っていたのです。セガサターンで敗北したセガが、プレステの牙城を切り崩すべく、切り札として投入したのがドリームキャストです。

ドリームキャストのスペック

ドリームキャストは、性能としては今までの失敗を生かすべく、実によく考えられたスペックを持っています。

・ポリゴン描写専用チップの搭載

この当時は、3Dポリゴンが全盛の時代で、ポリゴンじゃなければゲームじゃないとまで言い切った人間もいたくらいでした。プレステはそのポリゴン描写のためのチップを搭載していましたが、セガサターンは搭載していませんでした。これがセガサターンの敗因だと考えたセガは、新ハードのドリームキャストにポリゴン描写専用チップを搭載します。しかし、このチップが後にドリームキャストにとって致命的な問題を引き起こします。

・WindowsCEの搭載

ドリームキャストは、マイクロソフトと提携し、WindowsをカスタマイズしたWindowsCEを搭載しました。これにより、パソコンで製作されたゲームをドリームキャストに移植しやすくしたわけです。しかし、これも負の部分が大きかったことが後に明らかになります。

・モデムを標準装備

今の時代、モデムが搭載されているのは別に珍しくもなんともありませんが、この時代にドリームキャストはモデムを標準装備していました。これにより、パソコンよりも安い値段でインターネットができることを売りにしようとしたわけです。しかし、よく考えればこの当時は賢い選択ではありません。

このように、良かれと思っていたことが結果的にことごとく足を引っ張る要素になってしまいます(後述)。まあ、セガらしいといえばセガらしいですが。そして、値段の都合で切り捨てた要素がこれまた「何で?」と思うようなものでした。

・DVDを搭載しなかった

この当時はDVDに関しての世の中の注目が集まっていた時代で、ドリームキャストも発表前はDVDを搭載するのではないかという憶測がなされていました。しかし、コストが高くなるとの理由からDVD搭載は見送られ、変わりに搭載したのがGD−ROMというドリームキャスト以外どこで使ってるんだと思われるフォーマットでした。多少無理してでもDVDを搭載していればまだ話は違ったかもしれませんが・・・。

・セガサターンとの互換性を切り捨てた

これもやはりコスト増から断念したとのことです。元々セガサターンは20000円で売っても赤字といわれるくらいコストの高い機種で、その機能をドリームキャストに積むと途端に価格が跳ね上がります。そのため、30000円以下の価格にこだわったセガはドリームキャストにセガサターンの上位互換機能を搭載しませんでした。それまで膨大にあったセガサターンソフトを全て切り捨て、1から出直すという選択をしたわけです。

ドリームキャストへの注目の高さ

ドリームキャスト発表当初は、ゲーム業界での期待はものすごく高いものでした。このころはすでにプレステ一人勝ち状態でしたが、一社独占状態がどのような弊害を生むかをスーパーファミコン時代に経験していたゲーム業界では、この一人勝ち状態は決して受容できるものではなかったのです。しかし、対抗すべき任天堂は、NINTENDO64の失敗から家庭用ゲーム機よりも携帯用ゲーム機(ゲームボーイ)の方に力を入れており、とてもプレステに対抗できる状況ではありません。また、それまでハードを供給していたNECも、PC−FXの大失敗や、本家のパソコン市場の低迷により、新ハードを供給できる状態ではなく、必然的にドリームキャストはプレステの対抗機種として一身に期待を背負うことになりました。勿論、セガとてセガサターンでの敗北が尾を引き、決して余裕があるわけではなかったのですが、業界の期待を背に受け、真っ向から勝負を挑んだのです。

ドリームキャストの広告戦略

ドリームキャストは、セガサターンでの失敗を教訓とし、広告戦略に力を入れることにします。ここでとった手が、当時芸能界でのプロデュースに実績のある秋元康氏をアドバイザーとして採用することです。個人的な意見ですが、これが広告戦略の失敗だったような気がします。確かに秋元氏は人を売り出す能力には長けていますが、物を売る能力は全く未知数であり、やらせてみないとわからない状態です。まあ、話題にはなりましたけどね。秋元氏を起用するくらいなら、マーケティングに実績のある人を採用すべきだったと思うのですが、やはりそこはセガだからなのでしょうか。この秋元氏がプロデュースした湯川専務シリーズのCMは、出た当時は衝撃的であり、非常に面白いもので、注目を浴びることには成功しましたが、注目を浴びただけだったという感じもします。結局、湯川専務以降の広告戦略に見るべきものは余りありませんでした。

ドリームキャストの発売時のトラブル

業界が煽ったり、CMが妙にうけたりして、発売前からかなりのアドバンテージを貰った状態で発売することになったドリームキャストでしたが、発売直前になってトラブルを引き起こしてしまいます。それは、当初の予定台数を大幅に減らして発売することになってしまったことです。ドリームキャストには、3Dポリゴンを描写するための専用チップ「POWER−VR2」というものを積んでいます。これはNEC製のチップなのですが、このチップの歩留まり率(正常品の出る確率)が低すぎて、当初発売予定の50万台の半分程度しか供給できなくなってしまったのです。セガが行っていたドリームキャスト予約キャンペーンも、開始からわずか3日で打ち切らざるを得なくなってしまいました。これはセガが悪いのではなく、NECが悪いのですが、一般人にとってはセガが悪いと考えるのが当たり前で、これによりドリームキャストはイメージを大きく悪化させ、折角つかんでいた販売機会を失うこととなってしまいました。

ドリームキャストの最期

折角のアドバンテージを棒に振ってしまったドリームキャストは、ソフト供給も当初の予定から思うように進まず、売れ行きが伸び悩みます。1999年3月にはプレステ2がソニーから発表され、プレステ2発売までゲーム機を買い控えようとする人の多さにあせったセガは、1999年6月に早くも値下げを断行し、19900円にまで価格を落とします。価格を下げて販売促進を託したのですが、これが旧ユーザーからの反発を受けます。何せ、たった半年で1万円も値下げしたのですから、元の値段で買ったユーザーが怒るのも無理はないでしょう。一部のセガファンはそれでも受け入れたのですが、そうではない人々からの不信は拭うことができず、まだ他社から新機種自体が発売されていないにもかかわらず、ドリームキャストの販売台数は下降していきます。2000年にプレステ2が発売されると、その動きは加速され、2001年3月にセガは早々とドリームキャスト製造中止を発表、残っているドリームキャストの在庫を9900円で販売するという投売り状態に出ます。そして、セガは家庭用ゲーム機開発を中止し、今後は他のハードにソフトを供給すると宣言します。こうして、SG−1000から始まったセガの家庭用ゲーム機の歴史はドリームキャストをもって幕を閉じることになりました。ちなみに、製造中止発表以前、全く売れなくなっていたドリームキャストは、9900円になったとたん猛烈に売れ、品薄になったというエピソードがあります。

ドリームキャストの敗因

ドリームキャストの失敗の原因は、導入すべきところと切り捨てるべきところを間違えたの1点に尽きると思います。切り捨てたDVDと上位互換機能は、プレステ2がそれを実現し、爆発的に売れたことからもドリームキャストでも導入すべきものでした。これは結果論で言っているわけではなく、ドリームキャスト発表前から各方面で指摘されていたことです。そして、導入した部分も負の面がクローズアップされる結果となってしまいました。モデム搭載は、確かに安価でインターネットをできる道具にはなりますが、この時代にインターネットをやっている人間はすでにパソコンでやっているわけで、わざわざドリームキャストの通信機能を使う必要性がなかったのです。今と違って、インターネットに興味ない人はほんとに興味なかったですから、基本的にインターネットをやるかやらないかの2択だったわけで、やる人間はパソコンでやる、やらない人間は安くできてもやらなかったのです。モデムが全く付加価値として機能せず、ただ単に本体の価格を高くしているだけの部品になってしまいました。また、WindowsCEですが、パソコンのゲームを移植しやすくなっているといっても、パソコンでする人とゲーム機でする人のゲーム自体の質が違いますから、ただ単に移植すれば売れるという性質のものではないのです。唯一パソコンとゲーム機が重なっているジャンルが、いわゆるギャルゲーしかなかったわけで、実際パソコンから移植されたゲームはほとんどがこのギャルゲーでした。ギャルゲーばかり出すようになって一般の人が遠ざかって行った、これはセガサターンの末期と重なっています。ドリームキャスト晩年には、発売されるソフトはほとんどがこのギャルゲーだったことを考えると、セガがやろうとすることの裏目裏目にいくなぁ、と感じざるを得ません。

ドリームキャストの名作ソフト

ドリームキャストで販売されているソフトの中で名作と謳われているソフトは、ほとんどがプレステ2に移植されており、ドリームキャストでなければ遊べないという名作はごく一部に過ぎません。格闘ゲームのバーチャファイター3tbやソウルキャリバーくらいが目立つ程度ですが、これもすでに続編が作られており、その続編がプレステ2で販売されていますから普通の人からしてみればあまり魅力のあるハードではないかもしれません。しかし、モデムがついているというのは今の時代にはあっていると思います。インターネットは昔と比べ物にならないくらい普及していますし、ドリームキャストを使えばパソコンよりも設定などが簡単ですから、これからネットデビューしようとしている人にとっては有効性があると思います。

ドリームキャストで遊ぶためには

今は、セガからドリームキャストは販売されていないので、ドリームキャストで遊ぼうと思ったら中古品を入手するしかありませんが、ドリームキャスト自体が200万台強しか販売されていないので、他のハードと違って入手は困難です。根気よく中古ショップを回るか、ネットオークションなどに注目するくらいしか入手方法はないかもしれません。しかし、ソフトの方は大体どこの中古ショップでも入手可能です。恐らく値段もかなり安く販売されているのではないでしょうか。安い値段でそこそこのソフトが遊べると考えれば、ドリームキャストを購入する価値はあると思います。


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